ちょっとだけマニアックサーフィン小話・その1

本当ならこのトピックは2021年の初頭に書き残すものだけど、月日が経つのは早いもので、気がつけばこんな時期になっていた。そしてついに2021年はひとつのブログ記事も書かなかったので、リハビリがてら、当時を思い出してみようと思う。SNSでよく話題になったのでご存知の方も多いだろうし、逆に知らない方にはぜひ知ってほしい。

マイキー・ライトは、オリンピックで銅メダルを獲得した超イケメンのオーウェン・ライトを兄に、2×ワールドチャンピオンのタイラーを姉に持つオーストラリアンサーファー。オーウェンのイケメンっぷりは半端ないが、マイキーはちょっと無骨な見た目で、サーフィンは独特なスタイルがあるが荒削りな感じもするのがまた彼のいいところなのだけど、そのマイキーが2021を最後にワールドチャンピオンシップツアーからの離脱を決めた。
やはり、マイキーの型にハマらないサーフィンは、コンテストにうまくマッチしなかったのだろう。
そもそも、このチャンピオンシップツアー、日本生まれ日本育ちの日本人はいまだ誰も参加できていないぐらいハードルが高くて(五十嵐カノアは両親共に日本人だがアメリカで育ってホームブレイクもアメリカだ、女子は都築アムロがノミネートしたが2020はコロナで開催されなかった。WSLの前身時代に女性で1人ツアー参戦履歴がある)、ツアーに参戦するためにものすごく沢山の予選大会に出場して年間ランキングを維持しなければいけないから、参戦するだけでも栄誉なものだけど、やっぱオレには合わないわ、と辞めていくことができるのも才能あるサーファーの証だろう。
マイキーは非常に男気のあるサーフィンをするやつで、2021CTのメキシコ戦のエキシビジョンでは、同じ場所で10年前に故・アンディアイアンズがダブルグラブレールエアという技を決めて優勝したのだけど、そっくり同じ技をやって、エキシビジョンのMVPに輝いた。サーフィン自体は死ぬほどかっこよくて説明するのもあれだが、2021年の大晦日、ハワイで溺れかけた女性を救出している動画が話題になったときは、なんというか、心をうたれるものがあった。人間の美しさをみよ、という力強さがあった。
そのマイキーがツアー引退。でも、マイキーならフリーサーファーとして大成功できるよ。めちゃくすごいサーフィンするもんな。そして、動画をみると、海の怖さもわかる。冬のハワイ・ノースショアは本当に凶暴。バチバチの肉体を持つプロサーファーのマイキーだから助けれたのであって、普通は道連れになるから飛び込めない。荒れた日に不用意に波打ち際に近づいてはダメよ、という自戒もこめて。

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